ものすごく大切なものがある。
正確には、あった。
もう、ないのだ。
失くしてしまった。
自分のせいだ。
失う前から大切なものだった。
でも失ってみると、大切などという言葉では表しきれないほど、僕の想像を絶するほど大切なものだった。
それは、言ってみれば僕のすべてだったのだ。
なぜ気づけなかったのか。
悔やまれてならない。
今日は休日出勤だが、まったく仕事が手に付かない。
人は過去には戻れない。
でも、人にはそれぞれ、どうしても戻りたい過去がある。
僕が戻りたかったのは9年前のあの頃だった。
でも今、僕が戻りたいのは半年前だ。
1ヶ月前でもいい。
14日前でもいい。
もし、戻れたとしたら、今という未来にならないようできることは何でもする。
本当に何でも。
でも、もう遅いのだ。
電車に乗っている時、エレベーターに乗っている時、寝ている時、すべての瞬間が苦しい。
取り返しがつかないことをしてしまった。
今、すべきことは何か。
「したいこと」と「すべきこと」は違う。
僕が今、本当にすべきことは、これから先の何気ない日常を何事もないかのように過ごすこと、だと思う。
でも本当に本当に本当にそれが正解なのか、もう僕にはわからない。
辛すぎる。僕はバカだ。